アナログ人間の独り言~阪神タイガース・映画・サブカルチャー・旅行等々
今日未明に米大統領就任式があり、日本時間午前2時にトランプ氏が新大統領に就任されました。
選挙戦前から相当無茶苦茶な言動で周囲を困惑させて来ましたが、今後は世界規模での混乱が何となく予想されます。

トランプ新大統領の政策の基本は、80年代以前の価値観・認識に基づく「アメリカ第一主義」で、これが現在の政治・経済における閉塞感に、いい加減うんざりしつつあった米国民の心を動かしたというのが一般の評価。
駄目だと判っていても変化を促す為には選ばざるを得なかったというのは、日本でも自民→民主の政権交代時にあった事なので心情的には理解出来ないでもないのですが、日本の場合は結果的に「何もしない」政治の空白期間が長期に渡って生じ、沖縄の米軍基地問題に代表される非現実的な政策による大混乱と、極め付けは東日本大震災と原発事故による致命的なダメージを日本に与える事になってしまい、この先アメリカが辿るであろう苦難の道を想うと、誰でもいいからその辺を歩いているアメリカ人に「後悔先に立たず」と言ってやりたい気持ちになります。

昨年はいきなりフォードの日本撤退ニュースが飛び込んで来た1月でしたが、この「フォード撤退」はマツダOEMとは言えフォード車オーナーであり、買い替えを考えていた自分にとっては大事件でありました。
「エコスポーツ」「フォーカス」「フィエスタ」といった何とか我が家向けに適合可能な車種が出そろいつつあり、業績も大きく上向きつつあったフォードの日本・インドネシアからの撤退はまさに寝耳に水で、正直新車購入候補車種選びでちょっと焦りました(第一候補だったマツダのミニバン撤退も重なりましたので)。
このフォード撤退による余波はまだ国内で続いており、一応サービスディーラーとしてのネットワークは構築されたものの、既存のディーラーがメンテナンスだけで食っていくのは当然不可能であり、別ブランドのディーラーへの転換が進む中、玉突き的に近隣の他の外車ディーラーがブランドを乗っ取られるという事態も発生している様で、如何にこの事件の影響が日本の自動車業界において大きかったかという事が知れます。

フォードが日本から撤退したのは「今後、日本における業績の好転が見込めない」からと言うのがその理由ですが、「日本市場があまりに閉鎖的」だという一部関係者の捨て台詞は言い訳に過ぎません。
また、業績好調とは言え株主の期待値に達しなかったその成績について、株主の発言力が絶対のアメリカ社会においては、最早「不採算地域からの撤退」しか弁解の余地は無く、その意味では特に日本からの撤退は非常にインパクトのある戦略であったと言えます。
日本の新車販売における輸入車のシェアは、軽自動車を除くと10%強との事ですが、この数字は決して他国に比べて極端に低い数字だとは思えません。むしろ国産車の国内販売が横這い~低下に転じつつある中、輸入車は増加傾向にあるくらいです。
ポイントは日本で販売されている輸入車の内、大半が欧州車であるという事。そしてそのかなりの部分がドイツ車であるという事です。
つまりフォードは日本市場に負けたのではなく、ドイツメーカーを中心としたヨーロッパ車に負けたのです。
そしてこの点こそがフォードやアメリカ人の最も認めたくない事に違いありません。

フォードと言えばアメリカ車。
アメ車と言えば、燃費の悪い大型車。
今でも日本の多くの人が抱くイメージはこんなところでしょう。
でも私が欲しかった「エコスポーツ」「フォーカス」「フィエスタ」といった車種は、どれも欧州フォードをルーツとするコンパクトカーでした。
フォードにも欧州ブランドがあったのです。
燃費はまだまだ改善の余地はありましたが、一時に比べれば随分と良くなっており、その操作性、走行性は実に日本の道路向けのキビキビとしたものでした。
この欧州ブランドのイメージを「日本向け」だけでも上手く売り込めなかった、またその努力をしなかったフォードの経営戦略の失敗こそがフォード日本撤退という事態を招いた最大の原因だったと言えるでしょう。
セールス規模が違うとはいえ、欧州勢は実に良く日本(日本車)を研究しています。
既に成熟期を迎え、ユーザーの価値観が定着しつつある日本市場で、新たな価値観を創造する事は至難の業だと思います。
しかしそれをしなければ現状打破は難しいですし、相応の忍耐と努力さえ怠らない企業に対しては、まだ日本市場は十分応えてくれると思うのですが。
輸入車は高級車という日本人の先入観につけ込んで、高級車戦略で安易に利益を上げようとしたのが間違いであり、フォードもVW同様本来は大衆車メーカーであった事に回帰して、コンパクトカーを主力に据えた上で「エクスプローラー」「マスタング」を売るべきだったのではないでしょうか?

フォードは長期的に見て「TPP」の稼働が自社にとって不利だと考え、日本撤退を決意したとも聞きます。
そこには「クリントン政権」誕生を前提とした、戦略的ビジョンがあった筈です。
トランプ大統領が誕生した今、メキシコの工場問題等いきなり矢面に立たされているフォードですが、悪い時は何をやっても上手く行かないもので、「TPP」発効が絶望となった今では日本撤退を後悔しているかも知れません。
フォードが再び日本に本格再上陸する事は考えられませんが、アメリカが米国製品を「買え」と言って来るのは確実です。
日本側の楽観的な憶測などどこ吹く風で、トランプ政権は日本に次々と無情な要求を突き付けて来るでしょう。
貿易不均衡を理由に中国に対しては強硬姿勢のトランプ氏ですが、金の匂いがしたらいつでも掌を反すに違いありませんし、そうなったら日本の孤立は決定的です。
「首脳会談」と言う名の詣で外交しか出来ない日本の政治家、また1対1の駆け引きが極端に不得意な日本の官僚・経済界に、この新しいアメリカ政権相手の立ち回りが果たして出来るのか、何とも心許ない限りです。

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【2017/01/21 22:52】 | マイカー
【タグ】 トランプ  フォード  VW  
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