アナログ人間の独り言~阪神タイガース・映画・サブカルチャー・旅行等々
たまたま仕事が休みだった今日、昼のニュースでその逝去を知りました。

東映ヤクザ映画の看板俳優で、そのイメージが今でも強い方でしたが、年代的に私が映画館で観たのはフリー以降の主演大作ばかりです。
それでもテレビで嫌というほど放送されていた任侠映画は、正直どれがどの作品か判らないワンパターンながら、観出すと止められない妙な麻薬性もあって、結構観ていたおぼえがあります。
東映の癖のある男優がズラリと並んだヤクザ映画は、ある意味東宝の怪獣映画と共に、この時期最もシネマスコープ画面に映えた日本映画だったのではないでしょうか?

70年代に入り、「仁義なき戦い」等で東映ヤクザシリーズのカラーがはっきり変わり出した頃、その出演作も大きく変貌して行きます。
中でも東映の製作した「新幹線大爆破」は、ハリウッド映画や東宝の大災害映画の向こうを張って作られた和製パニック映画の超大作であり、明らかに東映任侠アクションの流れを汲む落ち着きの無いカメラワークの中で、高倉健が演じた役柄はやはり影のある寡黙な男でした。

無骨、不器用、無口、そして雪国…。
固定されてしまったイメージで、以降は前科者以外の多彩なキャラクターを演じきる見事なフィルモグラフィーが続きます。
邦画史上の興行成績を塗り替えた「八甲田山」で演じた陸軍中隊長。
東宝創立50周年記念作「海峡」での国鉄技師。
やはり邦画興収の記録を更新した「南極物語」の南極越冬隊員。
ハリウッド映画の大阪ロケで話題になった「ブラック・レイン」の大阪府警刑事。
同じくハリウッド映画「ミスター・ベースボール」の中日ドラゴンズ監督。
向田邦子原作の映画化「あ・うん」の社長さん。
市川崑監督超大作「四十七人の刺客」の大石内蔵助。
「鉄道員」での孤独な駅長。
そして遺作となってしまった「あなたへ」に登場する刑務官。
どれも高倉健でなければ務まらない役ばかりでした。

中でも私が好きだったのは、松竹が製作し山田洋次が監督した「幸福の黄色いハンカチ」と「遙かなる山の呼び声」の2作品。
北海道を舞台にした前科者、或いは手配者というはまり役で、シネマスコープをこよなく愛する山田監督のダイナミックかつ繊細な画面作りと佐藤勝の音楽の素晴らしさもあって、私自身この2作は日本映画のベストの一つだと思っています。

まだまだ新作を期待していただけに残念でなりません。
ご冥福をお祈りします。


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【2014/11/18 15:34】 | 映画
【タグ】 高倉健  東映  東宝  松竹  
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