アナログ人間の独り言~阪神タイガース・映画・サブカルチャー・旅行等々
SA3E0005_convert_20140315120541.jpg

遅まきながら買いました。
AMAZONで安かったのです。
定価6800円が2697円(6割引)。

初めてこの映画を観た時のショックは今でも覚えています。
公開当時は一般には大して話題にもならず、日本国内興行もそれ程パッとしない結果(確か興行収入11億程度)だった筈ですが、一部の映画関係者からの前評判は非常に高く、中には日本公開より先にわざわざハワイまで観に行かれた方もいらっしゃったとか。
公開後も一部の熱狂的な支持者からはこの年の洋画ナンバーワンとの声も多かったのですが、何と言っても大した成績でも無かったので(日本公開が2月という中途半端な時期というのもありましたが、その割には健闘した方ですか?)、本格的なブレイクにはビデオリリースを待つしかありませんでした。

私が劇場で観ようとナビオへ出掛けた時は既に公開終了後。
慌ててLマガジンで調べてみると、難波の千日前セントラルでまだ上映中の広告が。
しかし行ってみると前週で上映は終わっていました(打ち切り?)。
私の友人でもロードショー時に観れたのは僅か一人(女性でしたが、彼女の評価は大絶賛)。
大して期待していなかったとは言え、こうなってみるとどうしても見たくなるのが人情。
仕方なしに1ヶ月程待って、一番早い名画座での上映だった神戸での2本立てを観に行きました。
当時はまだ神戸にも多くの名画座が残っており、多分観に行ったのは新開地の映画館だったと思うのですが、商店街の中にある成人映画上映館に囲まれた劇場で、もう相当寂れた感じが出ていました。
番組は「ダイ・ハード」と「ヘルレイザー2」。
無茶苦茶な取り合わせですが、「ヘルレイザー2」もこの手の映画(ホラー)ではレベルの高い作品でしたので、それなりに楽しめました。

もう既にこの時点でこの作品に対する世間の評価は高まっており、この場末の映画館ではそれなりの覚悟で鑑賞に臨みました。
果たして多くの人を唸らせた稀に見るアクション映画の秀作とはどんなものか?
これ程の先入観を持って観たにもかかわらず、しかしながらその作品内容は実に見応えのあるものでした。

アクションや視覚効果(特撮は「スターウォーズ・帝国の逆襲」のリチャード・エドランド)が超一級であったのは言うに及ばず、その脚本中に張り巡らされた伏線の数々には驚かされるばかり。
一瞬たりとも目を離す事が出来ず、先の展開が読めない楽しさ。
大勢のプロフェッショナル達を、不意打ちとは言えものの見事に皆殺しにして行く痛快さ。
黒澤明が現代に若くして監督をしていたらこんな映画を撮ったのではないかと思うような、骨太かつ豪快な演出。
当時は無名に近かった主演のブルース・ウィリス(TVドラマで知名度は高まりつつありましたが)のキャラクターも、スタローンやシュワルツェネッガーとは違ったマッチョヒーローを体現しており、傷付きもすれば愚痴も言う、しかしながらどんな逆境にもへこたれない「決して死なない奴」を演じ切っていました。

かつてスピルバーグの「レイダース」を観た時、いつ終わるとも知れないアクションの連続、どこまでも続くストーリーに劇場では映画ファンとしての至福の時を感じた物ですが、まさにその体験の再来となった訳です(大昔、家で「レイダース」のLDを観ていた時、一緒に観ていた父親が食傷気味に「まだ終わらんのか」と文句を言ってましたが…)。
監督のジョン・マクティアナンは同じ20世紀フォックスで「プレデター」を監督した人。
この「プレデター」も良い意味で期待を裏切られた作品でした。
ポスターやCMからは全く想像出来ない展開。
シュワルツェネガーが半裸で機関銃を構えていると誰でもその手の映画だと思うであろうパターンを逆手に取ったのかどうかは判りませんが、内容は密林を舞台にした通り魔的宇宙人を相手に演じる格闘戦。
非常に良質なSF作品の仕上がりに、当時は呆気にとられたものです。
この監督の名前である程度はマークすべきだったのかも知れません。全く油断していました。
マクティアナン監督はその後、パラマウントでジャック・ライアンシリーズの1作目「レッド・オクトーバーを追え!」を監督。密室アクションの天才と言われた本領発揮でしたが、以降はあまりパッとせず。
満を持して監督した「ダイ・ハード3」は、残念ながら私的には期待外れでした。
最近作(…と言っても2003年)のジョン・トラボルタ主演「閉ざされた森」は結構面白かったですが、タイトルから想像する様な「ダイ・ハード」的なアクションとは程遠く、やはりマクティアナンの最高傑作は「ダイ・ハード」だよなあと考えあぐねている内にもう10年。
最近名前を聞かないなと思っていると、何と偽証でFBIに逮捕されて服役していたとの事。
全く何をやっているのか、それでも何とか刑期を終えて出所したらしく、もう次回作も決まっているそうです。

音楽を担当したのは、故マイケル・ケイメン。
ジョン・ウィリアムズやジェリー・ゴールドスミスが得意としたテーマフレーズをバンバン鳴らすノリノリの曲ではなく、どちらかと言うとイマイチ特長の無い音楽に終始したBGMを書いています(モチーフは「雨に歌えば」「ベートーベン・第九」)。
同じプロデューサーの「リーサルウェポン」でもよく似た音楽を提供しており、間違いなくマイケル・ケイメンの代表作なのですが、サントラ盤は正式に永らく発売されませんでした。
理由はよく判りませんが、「ブレードランナー」・エーメリヒ版「ゴジラ」・「カットスロートアイランド」等、音楽のレベルは高いのにサントラが出なかった作品は、過去多数あります。
ただこの作品、これだけの大作なのに音楽の扱い方が少しおかしかったのも事実。
最も重要なシーンの音楽が編集物や他作品からの流用曲で処理されているのが非常に不思議に思えます(ハンス・グルーバー墜落の場面はマクレーンがマルコを射殺するシーンの音楽の編集版、生還したマクレーンがパウエルに会うシーンにはジョン・スコット「燃える男」からの流用、パウエルがカールを射殺するシーンにはジェームズ・ホーナー「エイリアン2」からの流用)。
後年になり限定版で何度かサントラCDが発売されましたが、一般には入手困難な状況が続いています。
マイケル・ケイメンは「ダイ・ハード2」「ダイ・ハード3」にも参加、こちらは普通にサントラ盤が出ており現在でも入手可能。
アトランタ・オリンピックの音楽監督を務め、アメコミ映画超大作「Xメン」に参加する等、新世代の映画音楽作家として期待されていました。
それだけにベイジル・ポールドゥリスと共々、その早過ぎる死はとても残念でなりません。

今回買ったブルーレイBOXですが、現在まで製作された三つの日本語吹替え版全てが収録されています。
最初に製作された、ビデオ版ノーカット吹替え。これはブルース・ウィリス樋浦勉氏が演じています。
次がテレビ朝日・日曜洋画劇場版。野沢那智氏が演じたブルース・ウィリスは最初とんでもないミスキャストに思えましたが、今観ると一番台詞が生き生きとしており(つまり演技が派手)、私的には一番好きなバージョンです(ただ、最もカットされたシーンの多いバージョンです)。
最後がフジテレビ・ゴールデン洋画劇場版。当初はノーカットだと思いましたが、若干カットされている模様。
村野武範氏のジョン・マクレーンは樋浦版同様地味ですが、その渋さがこの時期のブルース・ウィリスにマッチしていて悪くは無いと思います。
更に特典として、三つのバージョン全ての吹替え台本が封入されており、それぞれの翻訳を読み比べも出来ます。

音声トラックには特典として、ジョン・マクティアナンと美術のジャクソン・デゴビアの対談コメントと、特撮監督のリチャード・エドランドの単独コメントも収録。
独自の65ミリ撮影カメラを開発し、合成を特に多用したと思われがちなこの作品の特撮ですが、意外とミニチュアワークも多く使われ、ナカトミビルも何種類か模型が作られたそうです。
終盤のハンスがビルから落ちて行くシーンですが、実際に20メートルの高さからスタントではなく俳優本人を落下させて撮影(背景はブルーマットで合成)、その際落下のタイミングをわざと外して三つ数えるところを「ワン」で落とし、アラン・リックマンのあの驚きの表情を引き出したのは有名な話。
コメントではマクティアナンが「本当に怖がってる」と笑っていました…。

発売当初は非常に高額で物議を醸したこのブルーレイ、ここまで値下げしたのはやはり売れてないからでしょうか?
「ダイ・ハード2」を買うべきかどうか思案中ですが、同じ買うならやはり吹替の帝王版「プレデター」が欲しいところ。安くならないかな…。

さて、「ダイ・ハード」。
最新作になる6作目は東京のナカトミ本社が舞台になるとの事。
思えばバブル絶頂期に製作された1作目、日本経済がアメリカすら圧倒するのではと思われていた懐かしい時代。
あれから早や二十数年、現代の日本企業を襲う敵はどんな連中なのか、興味は尽きません。
…また高層ビルで暴れてくれないかな。


関連記事
スポンサーサイト

【2014/03/15 12:19】 | 映画
【タグ】 ダイ・ハード  野沢那智  村野武範  樋浦勉  プレデター  ジョン・マクティアナン  ブルース・ウィリス  
トラックバック(0) |

No title
AOIAバイト人
過去にアオイアの記事にコメントさせていただいた者です。
お久しぶりです(笑

ダイハードの記事楽しく読ませていただきました♪
当時のテレビ番組「パペポ」にて上岡龍太郎が大絶賛していたのを見て、
あの「阪急文化」に観に行ったのを思い出しました。
(高校生やったなぁ。塾サボって学ランで行ったなぁ。同時上映コクーン2やったなぁ(笑))

私も野沢さんの声が最も好きです!
あの抑揚が大好きです。だからスペースコブラもしげるちゃんでは嫌です(笑

また訪問させていただきます!

Re: No title
aki
こんばんは、AOIAバイト人さん。
コメントありがとうございます。

この作品、何度観ても面白いですね。
監督のマクティアナン氏も、自作で何度でも観直せる希少な作品だとコメントしていました。
しかもお気に入りの吹替え版がソフト化されるとは、いい時代になったものです。

私の映画ネタは結構偏っている内容が多いので、かる~く読み流してやって下さい。
基本、好きなジャンルしか観ませんので…。

また遊びに来て下さい。

コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
No title
過去にアオイアの記事にコメントさせていただいた者です。
お久しぶりです(笑

ダイハードの記事楽しく読ませていただきました♪
当時のテレビ番組「パペポ」にて上岡龍太郎が大絶賛していたのを見て、
あの「阪急文化」に観に行ったのを思い出しました。
(高校生やったなぁ。塾サボって学ランで行ったなぁ。同時上映コクーン2やったなぁ(笑))

私も野沢さんの声が最も好きです!
あの抑揚が大好きです。だからスペースコブラもしげるちゃんでは嫌です(笑

また訪問させていただきます!
2014/04/19(Sat) 17:39 | URL  | AOIAバイト人 #-[ 編集]
Re: No title
こんばんは、AOIAバイト人さん。
コメントありがとうございます。

この作品、何度観ても面白いですね。
監督のマクティアナン氏も、自作で何度でも観直せる希少な作品だとコメントしていました。
しかもお気に入りの吹替え版がソフト化されるとは、いい時代になったものです。

私の映画ネタは結構偏っている内容が多いので、かる~く読み流してやって下さい。
基本、好きなジャンルしか観ませんので…。

また遊びに来て下さい。
2014/04/20(Sun) 03:09 | URL  | aki #TMInTtVg[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック