アナログ人間の独り言~阪神タイガース・映画・サブカルチャー・旅行等々
基本的に別物と考えた上で、私は吹替え派です。

本来、洋画の日本語吹替えはテレビ放送時のみの作品の改変であり、真面目に映画を観ようとするなら劇場で字幕スーパーの入った作品を鑑賞するのが正道でした。
ただ、子供の頃から圧倒的にテレビの吹替え洋画劇場を観て育った私達の世代は、むしろ字幕版より吹替え版の方が馴染んでしまった感があります。
大多数の日本人にとって英語圏の映画は字幕が無いと理解出来ませんし、字幕翻訳による台詞の伝達率は2割とも3割とも言われています。また、字幕を読むことによって、肝心の映像の鑑賞がおろそかになる可能性も大きいです(幸いにも日本は識字率が高いので、殆どの人が字幕映画を楽しめますが)。
一方の吹替え版は8割以上の翻訳が可能で、映像に集中する事も出来ます。
しかしながら、全く違う文化圏の言葉に変換し、そこに声優の「演技」が関わる以上、これはもう別の作品に作り直していると言っても過言では無いでしょう。特にオリジナル作品に慣れ親しんだ人には、この改変が耐えられないのも判ります。

家庭用ビデオが普及し出すと、映像ソフトとしての洋画に吹替え版が出始めます。
最初は家族向け・子供向け~ある程度ヒットした作品に限られ、内容もビデオリリース用に製作された物で、フィックス声優を使わなかったり、翻訳の出来が悪かったり、かなり低予算な感じを受けました(ただ、ディズニー作品だけは気合が入っていたなあ)。
テレビで必用とされたように、ビデオ業界でも吹替え版は次第に認知されて行き、今では新作DVDの殆どに吹替えが収録されています。
それどころが大作を中心にシネコンではロードショー作品の吹替え版も同時上映が当たり前になり、むしろ吹替え版の方が上映回数が多い作品も見受けられる位です。
地上波の吹替え主流は今でも不変ですが、字幕放送が基本のCSでも最近は吹替え版を放送しています。それもノーカットの市販ソフト版ではなく、敢えて地上波で放送されたカット版を放送する時があります。
また市販されているDVDにも、新録バージョンだけでなく地上波バージョンも収録する場合があり、このあたりは売る方も中々判って来た様に思います。
商業価値が認められた吹替え版も、文化としてはまだまだマニアックで、未だに異端であるのは間違い無いのですが、その需要は確実に存在する訳で、願わくば旧作・名作の数々を失われる前に保全・ソフト化してもらいたいものです。

現在、イマジカBSで放送中の007シリーズ全作にしても吹替え版が同時放送中です。
ただこちらの吹替え版はDVDの新録バージョンであり、決して出来は悪く無いのですが、かつてTBSで放送された吹替えに馴染んだ者にとっては少し物足りない気がします。
このDVD版の最大の功績は、コネリー・若山弦蔵氏とムーア・広川太一郎氏のノーカット吹替えを実現した事でしょう。
共演者の顔触れを見ても手を抜いていないのは判りますが、やはりTBSバージョンには敵いません。

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【2012/09/09 23:10】 | 映画
【タグ】 吹替え  字幕  
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