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アナログ人間の独り言~阪神タイガース・映画・サブカルチャー・旅行等々
かなり遅ればせながら、ローランド・エメリッヒの新作「2012」を観て来ました。
劇場はまたまたMOVIX六甲。

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劇場ロビーに過去作品のチラシで作られたモニュメントがありました。
時間が無かったのでゆっくり見れませんでしたが、閉館までにはもう一度見に行ってみたいです。
劇場自体、閉館モードに入っていて、当然の事ながら新作の案内や情報はほとんどありません。
入り口上にあるプロジェクターは、「よなよなペンギン」のPVを延々と上映していました。
他のMOVIXではもう正月映画はほとんど新作に更新されているのに、六甲では今月公開された「かいじゅうたちのいるところ」が2010年公開される唯一の、そして最後の新作で、どんどん上映作品数が減ってる上に古くなっています。上映回数も減ってるような気がするのは気のせいか?
ネットの上映スケジュールカレンダーも、全作品が今月31日で「終了予定」で途切れており、いよいよといった感。
でも「アバター」も「カールじいさん」も「のだめ」も上映中なので、30・31日のサービスディは皆でMOVIXへ行きましょう。

20日もMOVIXディで全作品が終日1000円。
たまたま代休だったので、昼から嫁さんと出かけましたが、思ったより人がいました。他の劇場では、早いところではもう終了しているところもあるのに、安いと人は集まるのです。
サービスディは流石に混みそうですが、頑張って見に行くつもりです。

劇場内で本編上映前に流れる予告編も、当然「近日当劇場にて公開」ではありません。
何だか寂しいですね。
エメリッヒの最高傑作は「インデペンデンスデイ」だと思いますし、それは「2012」を観終わった今でも変わりません。
初めて劇場で観たエメリッヒ作品は「ユニバーサル・ソルジャー」でした。
他に観に行くものが無いので観たというのが正直なところですが、別に出来が悪いとか良いとか感じた訳でもなく、まあ、ヴァンダム映画が好きな奴ならOKじゃないか?くらいの感想でした。
実際のところ、これはSFとしては駄目だなと思いましたし、同じヴァンダムならまだ「タイムコップ」の方がマシだろう…と後々思うことになる程度の印象でしかありませんでした。

次に観たのが「スターゲイト」。
前作同様制作のカロルコがピークを迎えつつある時期に作られたこの作品は、いろんな意味でエメリッヒとカロルコの代表作になりました。
実は公開された年のゴールデンウィークに、やはり他に観に行くものが無かったと言うのがこの映画を観た本当の理由なんですが、観始めるとその本格的なSF作品のタッチに「これはひょっとして儲けものかも知れない」と期待してしまうほど、その導入部と構成の巧みさ、金の掛かった美術、そして何よりもデヴィッド・アーノルドの素晴らしい音楽が久々にSF超大作の誕生を予感させたものでした。
残念ながらその予感は「スターゲイト」を抜けた途端に裏切られ、クライマックスに進めば進むほどみすぼらしくなって行くという最悪の展開になってしまいますが、一緒に観に行った嫁さんは結構ワクワクして最後まで楽しめたらしいです。
しかし、基本にあったその硬派なSFセンスはその後TVシリーズに受け継がれ、見事に作品内にあったであろう可能性を証明する事になります。

インデペンデンスデイ」は前評判も高く、ほとんど心配無しに観る事が出来ました。
ストーリーにはかなりの荒っぽさがありますが、理論的に決定的な破綻も無く、そのスピード感も心地よく、押さえる所はちゃんと押さえていて、高揚すべき所は外さない、実に見事な演出で、群像劇としても良く出来ていました。
特撮もCGに頼らず、これでもかと言う位ミニチュアワークで見せ、デヴィッド・アーノルドの音楽がこれに拍車を掛けて必要以上とも思える過剰な盛り上がりを見せ付けます。
グランド・キャニオンのドッグファイトは、映像・音楽共に映画史上に残る名場面でしょう。

「ゴジラ」はとやかく言われがちな不幸な作品ですが、私は好きです。
別に日本のゴジラに特別な思い込みもありませんので、あれはあれで良いと思います。
特に、ちょっとした異変から破滅に繋がって行くストーリーの流れは、この作品でも十分に健在で、別に「ゴジラ」だって思わなければ立派な怪獣映画ではないかと思うのですが…。
個人的には、ラストの立ち去るジャン・レノの後姿のシーンが、画・音楽共に好きです。
ただ、全体的にデヴィッド・アーノルドの音楽が消音状態で勿体無かった。
限定盤しかサントラBGM集は出ていませんので、これは不満の残るところでした。

「パトリオット」は観ていません。
災害映画監督と言われるドイツ人のエメリッヒが、なぜアメリカ独立戦争をテーマに…あっ、そうか、「インデペンデンスデイ」があったっけ。
音楽もジョン・ウィリアムスへ替わり、以後デヴィッド・アーノルドのエメリッヒ作品は現在までありません。

「デイ・アフター・トゥモロー」…面白かったけど、あまりに非現実的な災害なので、もう一つ怖さが伝わりませんでした。
ラストも、これでいいの?…っていうオチでしたし。

「紀元前1万年」も観ていません。
興行的にも失敗したようですし、「原始人100万年」とどう違うのか、ちょっと興味はありますが。

「2012」は災害映画監督の面目躍如と言ったところでしょうか。
有り得ないだろうというくらいの大災害を、紙一重で主人公達が生き抜いていく辺りは、日本沈没の世界拡大版と言うより「インディ・ジョーンズ」を観ているようでした。

星野之宣の手塚賞受賞作に「はるかなる朝」というSF漫画があります。
現生人類がまだ未開人だった時代、アトランティス大陸に高度な科学文明を築いた先行人類は、やがて地球的規模の大地殻変動が起きると予測。一時的に全国民を大気圏外へ避難させるべく宇宙船団の建造を始めるが、大変動は予測よりも早く始まり、特に彼らの文明の基盤であった大陸が最も甚大な被害を受けてしまう…。
この映画を観始めて、「はるかなる朝」を連想した人は私だけではありますまい。
もっとも、チベット奥地で建造されていたのが宇宙船ではなく「箱舟」だったとする辺りから、この作品は多少現実味を帯びて来ます。
ストーリー的にはかなりご都合主義的な部分が多いのですが…。

ちょっと残念なのは、今回の特撮は殆どCGだったと言う事。
インデペンデンスデイ」や「ゴジラ」の時に見せた大掛かりなミニチュア特撮も、実はあの頃が最後の時代だったのかも知れません。
まあ、この作品をミニチュアで撮影したら、とんでもない事になっていたでしょうけど。

「はるかなる朝」は後半、現代劇となります。
大災害を生き延びた僅かなアトランティス人とその秘密を狙う現代人が絡み、やがてそれは太古の大災害時にあったある小さな別れにテーマが結実していくのですが、僅か30ページの漫画の中にその全てが凝縮されています。
エメリッヒが「はるかなる朝」を読んだのかどうか知りませんが、「2012」の後日談のTVシリーズの企画があると言います。
生き延びた人達が世界を再建していくのか、遥かな未来の彼方でラストを迎える遠大なドラマがあるのか、何となく期待したくなりますね。

災害監督、次回作はシェイクスピアの著作権問題をテーマにした作品らしいですが、キャメロン制作で「ミクロの決死圏」のリメイク企画もあるといいます。
駄作でもエメリッヒは超大作を撮って欲しいですね。
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エメリッヒの最高傑作は「インデペンデンスデイ」だと思いますし、それは「2012」を観終わった今でも変わりません。
初めて劇場で観たエメリッヒ作品は「ユニバーサル・ソルジャー」でした。
他に観に行くものが無いので観たというのが正直なところですが、別に出来が悪いとか良いとか感じた訳でもなく、まあ、ヴァンダム映画が好きな奴ならOKじゃないか?くらいの感想でした。
実際のところ、これはSFとしては駄目だなと思いましたし、同じヴァンダムならまだ「タイムコップ」の方がマシだろう…と後々思うことになる程度の印象でしかありませんでした。

次に観たのが「スターゲイト」。
前作同様制作のカロルコがピークを迎えつつある時期に作られたこの作品は、いろんな意味でエメリッヒとカロルコの代表作になりました。
実は公開された年のゴールデンウィークに、やはり他に観に行くものが無かったと言うのがこの映画を観た本当の理由なんですが、観始めるとその本格的なSF作品のタッチに「これはひょっとして儲けものかも知れない」と期待してしまうほど、その導入部と構成の巧みさ、金の掛かった美術、そして何よりもデヴィッド・アーノルドの素晴らしい音楽が久々にSF超大作の誕生を予感させたものでした。
残念ながらその予感は「スターゲイト」を抜けた途端に裏切られ、クライマックスに進めば進むほどみすぼらしくなって行くという最悪の展開になってしまいますが、一緒に観に行った嫁さんは結構ワクワクして最後まで楽しめたらしいです。
しかし、基本にあったその硬派なSFセンスはその後TVシリーズに受け継がれ、見事に作品内にあったであろう可能性を証明する事になります。

インデペンデンスデイ」は前評判も高く、ほとんど心配無しに観る事が出来ました。
ストーリーにはかなりの荒っぽさがありますが、理論的に決定的な破綻も無く、そのスピード感も心地よく、押さえる所はちゃんと押さえていて、高揚すべき所は外さない、実に見事な演出で、群像劇としても良く出来ていました。
特撮もCGに頼らず、これでもかと言う位ミニチュアワークで見せ、デヴィッド・アーノルドの音楽がこれに拍車を掛けて必要以上とも思える過剰な盛り上がりを見せ付けます。
グランド・キャニオンのドッグファイトは、映像・音楽共に映画史上に残る名場面でしょう。

「ゴジラ」はとやかく言われがちな不幸な作品ですが、私は好きです。
別に日本のゴジラに特別な思い込みもありませんので、あれはあれで良いと思います。
特に、ちょっとした異変から破滅に繋がって行くストーリーの流れは、この作品でも十分に健在で、別に「ゴジラ」だって思わなければ立派な怪獣映画ではないかと思うのですが…。
個人的には、ラストの立ち去るジャン・レノの後姿のシーンが、画・音楽共に好きです。
ただ、全体的にデヴィッド・アーノルドの音楽が消音状態で勿体無かった。
限定盤しかサントラBGM集は出ていませんので、これは不満の残るところでした。

「パトリオット」は観ていません。
災害映画監督と言われるドイツ人のエメリッヒが、なぜアメリカ独立戦争をテーマに…あっ、そうか、「インデペンデンスデイ」があったっけ。
音楽もジョン・ウィリアムスへ替わり、以後デヴィッド・アーノルドのエメリッヒ作品は現在までありません。

「デイ・アフター・トゥモロー」…面白かったけど、あまりに非現実的な災害なので、もう一つ怖さが伝わりませんでした。
ラストも、これでいいの?…っていうオチでしたし。

「紀元前1万年」も観ていません。
興行的にも失敗したようですし、「原始人100万年」とどう違うのか、ちょっと興味はありますが。

「2012」は災害映画監督の面目躍如と言ったところでしょうか。
有り得ないだろうというくらいの大災害を、紙一重で主人公達が生き抜いていく辺りは、日本沈没の世界拡大版と言うより「インディ・ジョーンズ」を観ているようでした。

星野之宣の手塚賞受賞作に「はるかなる朝」というSF漫画があります。
現生人類がまだ未開人だった時代、アトランティス大陸に高度な科学文明を築いた先行人類は、やがて地球的規模の大地殻変動が起きると予測。一時的に全国民を大気圏外へ避難させるべく宇宙船団の建造を始めるが、大変動は予測よりも早く始まり、特に彼らの文明の基盤であった大陸が最も甚大な被害を受けてしまう…。
この映画を観始めて、「はるかなる朝」を連想した人は私だけではありますまい。
もっとも、チベット奥地で建造されていたのが宇宙船ではなく「箱舟」だったとする辺りから、この作品は多少現実味を帯びて来ます。
ストーリー的にはかなりご都合主義的な部分が多いのですが…。

ちょっと残念なのは、今回の特撮は殆どCGだったと言う事。
インデペンデンスデイ」や「ゴジラ」の時に見せた大掛かりなミニチュア特撮も、実はあの頃が最後の時代だったのかも知れません。
まあ、この作品をミニチュアで撮影したら、とんでもない事になっていたでしょうけど。

「はるかなる朝」は後半、現代劇となります。
大災害を生き延びた僅かなアトランティス人とその秘密を狙う現代人が絡み、やがてそれは太古の大災害時にあったある小さな別れにテーマが結実していくのですが、僅か30ページの漫画の中にその全てが凝縮されています。
エメリッヒが「はるかなる朝」を読んだのかどうか知りませんが、「2012」の後日談のTVシリーズの企画があると言います。
生き延びた人達が世界を再建していくのか、遥かな未来の彼方でラストを迎える遠大なドラマがあるのか、何となく期待したくなりますね。

災害監督、次回作はシェイクスピアの著作権問題をテーマにした作品らしいですが、キャメロン制作で「ミクロの決死圏」のリメイク企画もあるといいます。
駄作でもエメリッヒは超大作を撮って欲しいですね。
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【2010/01/22 01:11】 | 映画
【タグ】 2012  ローランド・エメリッヒ  星野之宣  デヴィッド・アーノルド  インデペンデンスデイ  
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